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ビットコイン、海外取引所・コールドウォレットに移すと財産分与から外れる

ビットコイン、海外取引所・コールドウォレットに移すと財産分与から外れる
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KOSPI出来高に肉薄する暗号資産市場、財産分与はどこまで追いついたか

国内暗号資産取引所のユーザー数と取引代金が、韓国有価証券市場規模に迫るほど拡大しました。不動産・株式と肩を並べる資産になった一方、離婚・相続の財産分与でビットコインはどう扱われているのでしょうか。家事・相続事件を扱う中で暗号資産関連のお問い合わせは年々増えています。結論から申し上げると、我が国の裁判所は暗号資産の財産的価値を認めますが、実務では追跡・分与が通常非常に難しい領域も存在します。本記事はその境界を整理します。

我が国裁判所の一貫した立場:財産的価値を認める

ビットコインなど暗号資産は財産的価値のある資産として認められ、離婚や相続で財産分与の対象になります。

この点は我が国の裁判所が一貫して維持してきた立場と評価されます。したがって暗号資産を保有する配偶者が「これは分与対象ではない」と主張することは通常受け入れられません。ビットコインのみならずイーサリアム・ソラナなど主要コイン、および取引所で売買されるアルトコインも同様の視点で扱われる傾向です。

国内取引所:分与対象として把握しやすい

アップビット、ビッサムなど国内取引所に保管された資産は、通常次の方法で追跡できます。

  • 裁判所の金融・取引情報提出命令
  • 事実照会申請
  • 取引内訳・残高照会

したがって国内取引所を通じた取引内訳は、財産分与で比較的可視化しやすい領域です。実名口座連動義務があり、取引所が国内司法権の中にある点が決定的です。

海外取引所・コールドウォレット:事実上追跡が難しい領域

問題は次の二つの領域です。

  • バイナンスなど海外取引所に保管された資産
  • コールドウォレット(オフライン電子ウォレット)に保管された資産

裁判所が海外取引所に嘱託を送っても、通常強制力は及びません。取引所が協力しなければ、保有内訳と価値を確認する道は事実上塞がれます。コールドウォレットも、相手方が「保有していない」と陳述すれば、外部から存在を確認することがほぼ不可能に近いです。シードフレーズやウォレットアドレスをご本人が公開しなければ、外部から強制的に開く方法は通常ありません。

財産隠匿の新パターン

以前は名義信託が財産隠匿の主なパターンでしたが、最近は次のような流れが観察される傾向です。

  • 離婚を控えて2〜3年前から事前に資金を他名義・口座へ移動
  • 海外取引所を通じてコインを購入
  • 購入したコインをコールドウォレットへ移して保管

この場合、当該資金がコイン購入に使われたのか他の用途に使われたのかを立証するのが通常非常に難しいです。取引所を経ずP2P方式で購入すれば、追跡はさらに難しくなる傾向です。

それでも試みられる手続き

理論的には次のような試みが可能です。

  • 海外取引所への裁判所嘱託申請
  • 資金移動の流れを追う金融取引情報提出命令
  • 通信・メール記録など補助証拠の確保
  • スマートフォンフォレンジックによる取引所アプリ・ウォレットアプリの痕跡確認
  • 税務資料(暗号資産譲渡所得税申告など)との照合

ただし海外取引所の協力が強制されない点、コールドウォレットは外部から存在を確認しにくい点で、実務上は回収可能性が制限される場合が多いです。そのためこの領域では通常「疑いを立証できる情況証拠を集め、分与比率算定段階で反映する」迂回戦略が使われることもあります。

日頃から点検しておくと良いこと

離婚・相続が差し迫ってからコインを覗き込めば、もう遅い場合が多いです。日頃ご夫婦生活中に次の事項を点検しておかれるのが通常役立ちます。

  • 配偶者の取引所加入履歴(国内・海外)
  • 資金が抜けていった時点と理由
  • スマートフォン内の暗号資産関連アプリ・メール通知
  • 名義変更、海外送金の流れ
  • 税務申告資料(譲渡所得税申告分など)

相続事件における別途の考慮事項

相続事件では次の事項が追加で問題になります。

  • 被相続人の取引所アカウントへのアクセス権 — 死亡後、ご家族が取引所に死亡診断書などを提出して残高情報を受け取る手続きが通常必要
  • コールドウォレットのシードフレーズ — 被相続人が死亡前に整理しておかれなければ、ご家族が永遠にアクセスできない場合が発生
  • 海外取引所の相続ポリシー — 取引所ごとに相続認定手続きと必要書類が異なるため、事件初期の確認が必要
  • 税務面 — 相続時点の評価額に基づく相続税申告義務

評価時点と換算方式

暗号資産の価値は分単位で変動するため、分与対象価額の評価時点が通常争点となります。

  • 離婚事件:通常弁論終結時点の時価を基準に評価する傾向
  • 相続事件:相続開始時点(被相続人の死亡日)の評価額を基準とする傾向
  • どの取引所相場を基準とするか(国内平均、海外平均など)は事件別の協議・決定事項

評価時点によって分与金が大きく変わり得るため、弁論戦略段階で評価時点をどう主張するか通常あらかじめ整理しておくとよいです。

よくお寄せいただくご質問

Q. 暗号資産も分与比率は一般資産と同じですか。 A. 保有時点、購入資金の出所、婚姻期間中の形成有無などを総合して分与比率が決まる傾向です。婚姻中に夫婦の共同資金で購入した暗号資産は、一般夫婦共同財産と類似に評価される場合が多いです。

Q. 相続事件でも同じ問題がありますか。 A. 相続でも被相続人が海外取引所やコールドウォレットに保管した暗号資産は、相続人が存在自体を確認しにくい場合があります。日頃遺言・信託段階で暗号資産の保管情報を整理しておかれるのが通常推奨されます。

Q. 暗号資産をコールドウォレットに移した情況がある場合、分与に反映できますか。 A. 通常、資金移動時点、コールドウォレット利用情況、取引所出金記録などを総合し、「隠匿疑い資産」として分与比率算定時の考慮を主張できます。結果は事件別情況により異なります。

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おわりに

暗号資産は法的には分与対象ですが、実務では保管形態によって追跡可能性が大きく分かれる領域です。法制度の補完が急務であることは事実ですが、それまでは個人がご自身と配偶者の資産フローを事前に整理しておかれることが通常最善の防御策となります。日頃の資料整理がしっかりしているだけでも、事件の結果は通常大きく変わります。

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作成:ノ・ジョンオン弁護士 · レビュー日 2026-05-30

免責:本記事は暗号資産の財産分与関連一般情報を扱ったものであり、特定事件に対する法律相談ではありません。事件ごとに事実関係と結論は異なり得ますので、具体的な事案は弁護士と直接ご相談ください。