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元家庭裁判所部長判事の弁護士が整理する離婚訴訟実務 — 協議離婚から財産分与の基準時点まで

元家庭裁判所部長判事の弁護士が整理する離婚訴訟実務 — 協議離婚から財産分与の基準時点まで
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元家庭裁判所部長判事の弁護士が整理する離婚訴訟実務 — 協議離婚から財産分与の基準時点まで

家庭裁判所で部長判事を務めた経験を踏まえ、離婚訴訟が実際にどのように流れていくのかを実務の視点から整理します。本稿では、協議離婚・調停離婚・裁判離婚の構造、慰謝料・財産分与・親権の通常の認定傾向、そして弁護士が日常的に注意すべき実務上のポイントを一つにまとめました。離婚訴訟を初めて目の前にされたご依頼者と、事件を担当する弁護士の双方に役立つように作成しています。

協議離婚・調停離婚・裁判離婚の構造

全離婚件数のうち約7割超が協議離婚で進みます。協議離婚はお子さんの有無により二系統に分かれます。

手続の類型進行主体熟慮期間特徴
協議離婚(子あり)判事が進行約3か月両当事者の出席必須
協議離婚(子なし)司法補佐官が進行1か月両当事者の出席必須
調停離婚調停委員会事件により異なる当事者の出席負担が小さく、著名人に好まれる
裁判離婚家庭裁判所本案裁判通常1年以上争点の多い事件

協議ができている場合でも、ご本人が法廷に直接出席して発言する負担を避けたいときに、調停離婚の形に切り替えられる方が多くいらっしゃいます。印紙代が本案より低いという手続上の利点もあります。

管轄は必ず最初に確認する

弁護士として常に強調するのが管轄です。離婚事件の管轄は専属管轄ですので、誤って受け付けると控訴審で破棄され再配当となる可能性があります。著名事件でも管轄ミスが発生した例があるため、訴状を提出する前に家族関係登録簿上の住所・住民登録上の住所をすべて点検することが安全です。

離婚事由:有責主義と破綻主義

民法840条に離婚事由が列挙されていますが、実務では婚姻関係が実質的に破綻しているか否かのほうがより重要な基準となります。別居期間、回復可能性、お子さんの状況などが総合的に判断されます。

最高裁は通常、有責主義の立場を維持していますが、下級審では破綻の程度に応じて離婚を認める傾向が強まっています。一方が「どうしてもやっていけない」と強く表現すると、調停委員がむしろ離婚を勧めることもあります。離婚請求が棄却された事案で再結合に至るケースは通常極めて稀だからです。

弁護士として一度も見たことのない光景があります。離婚請求が棄却された夫婦が再び幸せに暮らす姿です。ですから裁判所も、回復が困難と判断される場合は、離婚を通じて整理することが結果的にご家族全体にとってより望ましいという視点で事件を見る傾向があります。

未成年のお子さんがいる場合は様相が異なります

未成年のお子さんがいる場合は、破綻主義の運用が緩和されます。離婚棄却を望まれるご依頼者は、家事調査を含むすべての手続で次のスタンスを一貫させる必要があります。

  • 相手方の非難・挑発に感情的に反応しない
  • 婚姻関係の回復を望む立場を揺るがさず維持する
  • 家事調査でも同じトーンで対応する

離婚を棄却していただくことは、離婚を獲得することよりもはるかに難しいのが通常です。弁護人とご本人の一貫性が結果を左右します。

慰謝料の通常の認定範囲

対象通常の認定範囲
不倫相手(相姦男・相姦女)約1,500万〜2,000万ウォン
不貞行為を行った配偶者本人約2,000万〜4,000万ウォン

慰謝料請求は不法行為による損害賠償請求ですので、消滅時効の適用があります。また離婚を前提とした相姦訴訟は家庭裁判所の管轄、婚姻関係維持を前提とする請求は一般民事裁判所の管轄です。管轄は常に確認します。

親権・監護権は日常の時間で決まります

幼いお子さんほど家事調査官の面談と、監護親による日常観察が決定的です。小学校2〜3年以上から中・高校生までは、お子さんご本人の意思が最も大きな比重を占めます。養育費は養育費算定基準表に従いつつ、過去の養育費と将来の養育費を別途検討します。

扶養料請求は性質が異なります。離婚棄却を前提とする配偶者であれば扶養料を請求できますが、双方が離婚に同意している場合の扶養料請求は通常困難です。

財産分与の基準時点が結果を左右します

財産分与で最も重要なのは基準時点です。資産類型別に次のように分かれます。

  • 現金性資産(預金・株式残高):婚姻破綻時点(通常は別居時または訴状提出時点)
  • 不動産・株式の時価:事実審の弁論終結時点

不動産については訴訟進行中に時価が上昇すれば、不動産を取得しない側は控訴審まで進めるほうが結果的に有利となる場合が多くあります。分割比率で補正されないため、弁論終結時点が遅くなるほど分割対象の価値が大きくなります。

資産類型基準時点実務上のポイント
預金・現金婚姻破綻時点過去3年分の取引履歴を照会
株式・ファンド婚姻破綻時点残高をキャプチャする時点
不動産事実審弁論終結時点時価変動の影響が大
非上場株式事実審弁論終結時点評価方法の争いが頻繁

協議離婚後の財産分与請求の新しい流れ

協議離婚をされた後、2年以内であれば財産分与請求の訴えを別途提起できます。従来の判例は離婚時点を基準に財産を評価していましたが、最近の最高裁は不動産価格が大きく上昇した場合、弁論終結時点を基準に評価する趣旨を示しています。協議離婚直後に不動産が急騰した事案では、この流れが戦略的な変数となります。

分割比率:夫婦が共に稼いだものは半々

一般的には次のような扱いが通用します。

  • 夫婦が共に稼いだ財産:50対50から始め、調整幅は通常5%前後
  • 実家・姻家・本家から受けた財産:結婚直後であれば通常分割対象から除外、時間が経つにつれて徐々に分割対象に組み込まれる
  • 富裕家庭のご子女で就労されていない場合:財産の大半が親側から由来するため、分割比率は通常最も低い水準

特有財産と認定される分岐点は通常婚姻3年前後と見ます。ただし絶対的基準ではなく、事件ごとに判事の総合判断が入ります。

家事調査とメンタルケア

家事調査は弁護人なしで当事者ご本人が直接出席して陳述する手続です。この際、本心・感情・口にしてはならない言葉まで出ることがあり、結果に大きく影響します。親権・監護権の争いがある事件では、家事調査が事実上決定的です。

  • 家事調査の直前に弁護人と十分なリハーサルを行う
  • 一貫したトーンと言葉をあらかじめ整理する
  • お子さんへの愛情・養育の事実を具体的に説明する

離婚訴訟は人の感情を扱う事件です。ご依頼者のメンタルケアは弁護士の重要な業務であり、ご依頼者が一貫性を保てるよう情緒的支援が必要となります。

よくいただくご質問

Q. 協議離婚後2年が経過しましたが、財産分与を再び争えますか? A. 協議離婚日から2年経過すると財産分与請求権は通常消滅します。ただし協議そのものの無効・取消しを争う余地のある事案であれば別途検討します。資料をお持ちのうえ今すぐチャットで相談するをおすすめします。

Q. 不動産価格が上昇しています。控訴審まで進むほうがよいでしょうか? A. ご本人が不動産を取得しない側であれば通常有利な場合が多くあります。ただし控訴審進行の費用・時間も併せて考慮する必要があります。

Q. 未成年のお子さんがいて離婚を防ぎたいです。可能性はありますか? A. 未成年のお子さんがいるという事実は通常有利な要素ですが、ご本人の一貫した態度と家事調査での対応が決定的です。

まとめ

離婚訴訟は華やかな弁論よりも、きめ細やかな資料整理、管轄確認、基準時点の点検、一貫した家事調査対応が結果を左右する事件です。ご自身が置かれた状況の中心的な変数が何なのか見当がつかない場合は、点検から始めることをおすすめします。


本稿は法務法人ジョンジェ(存在)の弁護士による上記YouTube解説をもとに作成された一般法律情報の記事です。

最終検討日:2026-05-30

免責:本稿は一般的な法律情報を提供することを目的としており、個別事件の具体的事実関係に対する法律相談ではありません。類似の事案でも結果は事実関係と証拠により異なり得るため、実際の紛争や相談が必要な方は必ず専門の弁護士による個別の助言をお受けください。