相続寄与分はなぜそれほど認められにくいのか:配偶者と子の分かれ道
初回公開 2026-05-30 / 最終レビュー 2026-05-30 本記事は法務法人ジョンジェのユン・ジサン・ノ・ジョンオン代表弁護士による上記YouTube解説に基づく一般的な法律情報です。
相続相談で最もよく頂くご質問が「私、寄与分を受け取れるでしょうか」です。実は寄与分は認定の有無により相続財産の比率自体がドラマチックに変わる項目です。しかしいざ認められるのは容易ではありません。本記事では寄与分が原則として例外的な制度である点、配偶者と子がどう異なって扱われるのか、そして相談室で実際に認められた事例と事前に何を準備しておくべきかを整理します。
寄与分とは何か、なぜ結果をそれほど変えるのか
寄与分は、共同相続人の中で特定の方が被相続人の財産形成・維持または被相続人の扶養に特別な寄与をした場合、その事情を相続財産分割段階で反映するために設けられた制度です(民法第1008条の2)。
寄与分が認められると、次の順序で分割が行われます。
- 相続財産から寄与分相当額をまず取り、寄与分が認められた相続人に優先帰属させる
- 残った財産を法定相続分に従って再分割する
例として、相続財産が10億ウォンで寄与分が40%認められた場合、4億ウォンは寄与分が認められた相続人に先に渡り、残った6億ウォンが相続人間の比率に従って分割されます。認定の有無とその比率によって結果金額が大きく変わるため、紛争が激しく展開されます。
寄与分認定の有無によって同じ相続財産が全く異なる結果に分かれ得ます。そのためこの項目は相続事件の中心に位置する場合が多いです。
寄与分は原則として例外的な制度
大法院判例は寄与分を「極めて例外的な場合のみ認める」立場を維持してきました。任意に寄与分を広く認めれば次の二つの問題が発生するためです。
- 相続関連紛争が急増する可能性
- 法定相続分制度の安定性が揺らぐ
ただし下級審で80%、50%以上の高い寄与分が認められる事例が間欠的に登場するため、これを一般的に適用可能な基準と誤解される場合があります。それらの事例は通常その事件特有の特殊性がある場合です。寄与分を適用しなければ結果があまりに不当となる事情があり、実質的正義と衡平を具現するための例外的判断と見るのが正確です。
配偶者と子の分かれ道:なぜ配偶者がより認められやすいか
相談室でよく頂く疑問がこれです。「子が両親を扶養することよりも、配偶者間の相互扶養がより認められやすい理由は何か」というものです。夫婦間の相互扶養は結婚そのものの義務であり、子が両親を扶養することこそより特別な寄与と見得るからです。
下級審の流れが配偶者により寛大なのには、次の理由が併せて作用します。
- 離婚と相続の衡平問題: 一定期間夫婦として暮らした配偶者が離婚するときは通常5対5に近い財産分与を受けます。しかし離婚せず配偶者の死亡により相続に入ると、法定相続分に従い子と分けることとなり、離婚時より遥かに少ない結果となります。
- 女性団体と学界の継続的批判: 一生涯夫婦として暮らし配偶者を支え看病まで担った配偶者が、むしろ離婚を選択した時より少ない財産しか受け取れない構造は、「国が離婚を促す」のと同じだという批判が累積してきました。
- ご高齢の方々の資産構造: 大部分の財産が夫名義で登記されている場合、子の数が多いほど法定相続分がより細かく分かれ、配偶者の結果金額が非常に低くなり得ます。
大法院もまた配偶者の寄与分は別に見得る点を明確に判示し、それ以降下級審がより自信を持って配偶者の寄与分を認めてきています。ただし子の場合も寄与分が認められないわけではありません。その基準が配偶者より厳格に適用される傾向に過ぎません。
配偶者の寄与分がより認められやすい流れは、離婚と相続の衡平を整列させるための社会的合意の結果に近いです。
子の寄与分が認められるための要件
子の場合、次の二つのカテゴリの内のいずれかが明確に立証されてこそ、認定可能性が意味ある程度に上がります。
- 財産形成への実質的寄与: 被相続人に直接お金を貸した事実、不動産購入にご本人の資金が実質的に投入された事実など、被相続人の財産形成に客観的に寄与した資料があること
- 長期間の特別な扶養: 被相続人が長期間闘病生活をなさる間、子がすべての治療費・生活費をご本人の資金で負担し、看護まで直接遂行した事情が客観資料として残っていること
実際の認定事例を二つ整理してご紹介します。
- 寄与分100%認定事例: お母様がお一人で子を育てられ、お子様が三つ(居住・生活・看護)をすべて担われた事案です。お母様名義の住宅購入にもお子様の資金が直接入りました。他の兄弟との紛争で寄与分100%が認められました。担当判事が非常に苦慮なさったであろう決定です。
- 故クハラさん事件の寄与分約20%認定事例: 子をお一人で育てた親の寄与分が認められた事件です。従前判例は子の養育は親の当然の義務だから寄与分が認められにくいという流れでしたが、本件では子を芸能人として位置付けるまでに一般的な親の養育を超える特別な寄与があるという論理が認められました。
同居の事実は寄与として認められるか
相談室でよく直面する争いの一つが「ご両親と一つ屋根の下で同居した」事情の評価です。一方は「ご両親をお世話した」と主張し、他方は「むしろご両親に寄生していた」と主張します。
この争いを左右する核心変数は結局金銭です。
- 生活費、病院費、看護費などすべての費用をご両親がご自身の資金で負担なさった場合、同居の事実だけで寄与と認められることは難しいです。
- 逆にお子様がご両親の治療費・生活費・看護費をご自身の資金で支援し、看護人雇用まで直接管理した事情があれば、寄与として評価される可能性が高いです。
もう一つよく頂くご質問が「毎月ご両親に現金でお小遣いを差し上げたが、認められますか」というものです。残念ながら現金は紛争で客観資料として認められるのが非常に難しいです。口座振込記録、定期送金内訳などが残っていなければなりません。被相続人が日記や家計簿に収受の事実を細やかに記録なさっていた場合、その資料が補助証拠として活用され得ます。
異母兄弟がいる場合の紛争
相談室でよく扱う事案のもう一つが、異母兄弟が登場する相続紛争です。本妻がいる状態で蓄妾があった場合、または本妻と別れた後に新家庭が形成された場合など、形態は多様です。
異母兄弟が登場する事案はほぼ100%紛争に進みます。双方とも切ない事情がある場合が多く、死後に事実関係が明らかになるにつれて争いが激化する流れが繰り返されます。死亡前の段階で事前整理をしておかれることが、最も効果的な紛争予防策です。
異母兄弟がいる事案は事前設計なしに死亡後の紛争段階に入ると、家族全体が回復不可能な葛藤を経験する場合が多いです。事前整理がそれほど重要です。
寄与分と特別受益:裁判部が選択する二つの経路
配偶者の資産をより厚く保護する経路は実は二つあります。
- 寄与分認定: 一定比率の寄与分をまず取り、残った財産を分割
- 特別受益除外: 配偶者が被相続人ご生前に受け取った資産は相続分の前払いと評価されるが、配偶者については特別受益と見ないという大法院判例の立場が確立
裁判部は事案により二つの経路の一方を選択し、または二つの経路を併せて活用します。どの経路を選ぶかは裁判部の裁量領域が大きい部分です。家庭裁判所の判断は結論に衡平をまず置き、それに合う法理を整列させる流れがある点も併せて記憶しておかれるとよいです。
よくお寄せいただくご質問
Q. ご両親をよくお世話なさった子とそうでない子の寄与分認定基準は異なりますか。 A. 同一の法理が適用されます。ただし誰がどの資金を負担したか、看護の実質を誰が遂行したかによって認定可能性が変わります。子の扶養は通常認定の閾値が高い傾向です。
Q. 現金でご両親に定期的にお小遣いを差し上げたのですが、どう立証すべきですか。 A. 現金は事後立証が非常に難しいです。口座振込に切り替えるか、家計簿・日記など被相続人が直接作成された資料が併存する場合、補助証拠として活用してみることができます。
Q. 事前に遺言で寄与分を予め整理できますか。 A. 寄与分自体は事後の分割段階で認められる制度ですが、遺言でご本人の意思を事前に明確に整理しておかれれば、同じ経済的結果をより直接的な経路で作っておくことができます。ただし遺留分が作動する場合、一定部分の請求は依然として可能です。
寄与分は結局、事前整理の価値を改めて問います
相続事件を扱いながら、結局寄与分争いの本質が「死亡前の段階で誰がどんな客観資料を残しておいたか」という事実を毎回確認します。事前整理が十分な事案ほど紛争が単純になり、事前整理が不足する事案ほど紛争が長引きます。ご両親とお子様が一度でもこの主題でお話を交わしておかれることが、どのような事後法理よりも紛争の重さを減らしてくれます。
ご家庭の事案について簡単にいますぐチャットで相談するも可能です。
ユン・ジサン代表弁護士 / 法務法人ジョンジェ 家事・相続専門弁護人団(解説協力:ノ・ジョンオン代表弁護士) 最終レビュー 2026-05-30
本記事は一般的な法律情報であり、個別案件に対する法律相談を代替するものではありません。事案により結果は変わり得ますので、具体的な紛争がある場合は別途のご相談をお勧めします。



